2023年新潟記念過去データと予想分析

第59回 新潟記念（Ｇ３）

2023年９月３日（日）　新潟競馬場　芝2000ｍ

2012年より夏の新潟競馬を締めくくる一戦となった新潟記念。Ｇ１に近い時期に行われるため、夏のハンデ重賞ながらも毎年の出走馬から何頭かが、秋のＧ１に駒を進めている。その筆頭格が2018年の優勝馬・ブラストワンピースで、次走・菊花賞こそ４着に終わったものの、グランプリ・有馬記念で勝利を手にした。2021年は３着馬のクラヴェルが、次走のエリザベス女王杯を９番人気で３着に好走した。サマー2000シリーズの最終戦でもあり、そのタイトルの行方も気になるこの一戦。過去の傾向を見てみよう。

新潟記念過去10年間配当金

新潟記念過去10年間結果

新潟記念過去10年間結果前走レース

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人気別過去データ

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前走レース名別過去データ

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種牡馬別過去データ

２桁人気馬が２連勝中

過去10年、１～３番人気は計【5.4.3.18】で、複勝率はそれぞれ40.0％で横並び。４番人気は好走がなく５番人気も【0.1.1.8】と、上位人気は目立つ成績ではない。対して６番人気が１番人気と同じ【2.2.0.6】連対率40.0％を記録し、伏兵陣も多く健闘している。2016～20年の連対馬は６番人気以内ばかりだったが、一昨年に12番人気のマイネルファンロンが優勝すると、昨年は10番人気・カラテが１着。一時に比べ荒れてきている点には注意したい。

４、５歳馬が好成績も……

牡・セン馬の年齢別では、好走馬数最多の５歳馬が【3.4.3.32】複勝率23.8％。４歳馬は馬券に絡んだ頭数こそ５歳馬より少ないものの、【2.3.2.15】複勝率31.8％など好走確率で５歳馬を上回ってきている。ただ、ここ２年の連対馬４頭はいずれも６歳以上。牝馬では2013年に10番人気で優勝したコスモネモシンも６歳馬であり、確率は気にせず穴を狙いたいなら６歳以上の馬を積極的に拾ってもいいだろう。なお、５番人気以内かつ６歳以上の馬は【0.1.0.9】と逆に人気サイドのベテラン馬は狙いづらい。

ハンデ56キロ以上が毎年連対

ハンデは56キロ台の馬が【3.3.0.21】で連対率22.2％。また、ひとつ上の57キロ台は【2.4.2.24】で連対率こそ18.8％だが、複勝率では25.0％をマークしている。この56～57キロ台が中心。毎年少なくとも１頭は56キロ以上の馬が連対し、昨年は57キロ台のワンツーだった。今年は全体的に斤量が重くなっていることを加味すると、57キロ以上を重視したい。56キロ以下の馬同士のワンツーは期待薄だ。

前走Ｇ３組は６着以内馬を

前走クラス別の成績を見ると、Ｇ３に出走していた馬が【6.6.7.76】（前走除外取消除く）と３着以内馬の３分の２近くを占めている。表に挙げたのは、そのＧ３組の好走馬19頭だ。ほとんどは前走で６着以内に入っているため、まずは「前走６着以内」がポイント。これに該当しない馬であれば、前走で上位人気に支持されていたり、ある程度のハンデを背負っていたりする馬が馬券に絡んでいる。

【前走Ｇ３からの好走馬（過去10年）】

年 馬名 ハンデ 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
13 コスモネモシン 52 10 1 クイーンＳ 7 7
エクスペディション 57 8 2 小倉記念 2 6
ファタモルガーナ 55 7 3 七夕賞 11 6
14 マーティンボロ 56 1 1 小倉記念 6 2
ラストインパクト 57 3 3 小倉記念 1 6
15 パッションダンス 56 6 1 小倉記念 4 6
マイネルミラノ 56 9 2 函館記念 2 8
16 アルバートドック 58 1 2 七夕賞 3 1
ロンギングダンサー 53 9 3 新潟大賞典 13 6
17 タツゴウゲキ 55 6 1 小倉記念 4 1
アストラエンブレム 56.5 1 2 エプソムＣ 1 2
カフジプリンス 55 12 3 小倉記念 9 5
19 カデナ 57 8 3 小倉記念 6 2
20 ブラヴァス 56 2 1 七夕賞 7 2
ジナンボー 56 3 2 七夕賞 1 9
21 マイネルファンロン 55 12 1 函館記念 7 14
トーセンスーリヤ 57.5 3 2 函館記念 2 1
クラヴェル 52 2 3 中京記念 5 3
22 フェーングロッテン 53 3 3 ラジオNIKKEI 3 1

好走時１着の多い「馬ナリ」、勝ち切れない「一杯」

過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、多くの好走馬を出していたのは「一杯（末一杯等も含む、以下同）」の11頭と、「馬ナリ」14頭だった。 　このうち「一杯」は【0.5.6.47】と、11頭も馬券に絡んでいながら優勝馬はおらず、２着よりも３着が多い。対して馬ナリは【8.3.3.60】と、14頭中８頭が１着を勝ち取っている。３連単や馬単の１着候補選びは、まず「馬ナリ」の馬から考えたい。なおコース別の複勝率では栗東坂路が一歩リードしているが、勝率や連対率は栗東ＣＷの連対率がひと桁なことを除けばほぼ横並びだ。

【追い切り脚色、主なコース別成績（過去10年）】

脚色・コース 成績 勝率 連対率 複勝率
一杯 0-5-6-47 0.0% 8.6% 19.0%
強目 2-2-1-32 5.4% 10.8% 13.5%
馬ナリ 8-3-3-60 10.8% 14.9% 18.9%
美浦南坂路 1-2-0-16 5.3% 15.8% 15.8%
美浦南Ｗ 3-4-1-41 6.1% 14.3% 16.3%
栗東坂路 3-3-6-37 6.1% 12.2% 24.5%
栗東ＣＷ 2-1-2-28 6.1% 9.1% 15.2%

2023年新潟記念（Ｇ３）調教状態＆コメント

イーサンパンサー　小林美駒

調教状態

連闘で新潟に滞在しての調整。疲れは意外となさそうだが、上積みもそれほど感じられない。

イクスプロージョン　戸崎圭太

調教状態

今週はそこそこ動いたが、先週の動きはスピード感を欠いていた。まだ完調にはひと息かも。

厩舎コメント

(左回りで)杉山晴師――高いところで状態は安定。障害練習をしてから馬のバランスが良くなっています。前走は内の悪いところで脚を取られて後手に。得意の左回りで見直したいところ。上がりがかかる展開なら。

インプレス　菅原明良

調教状態

中間も障害練習をしているが、この馬としては可動域が大きく、しっかり動いている。力は出せそう。

グランオフィシエ　菱田裕二

調教状態

先週は目一杯だったが、今週はかなり素軽さが出てきた。気合も乗ってきて、及第点以上にはなったか。

サトノルークス　永野猛蔵

調教状態

長欠明けをひと叩きされて、少し間隔が開いたが乗り込みは順調。コロンと見せても徐々に脚捌きは素軽く。

サリエラ　Ｃ．ルメール

調教状態

新潟に直接入厩。１週前は落鉄があって見劣ったが、今週は楽々アオッてきた。馬体はすっきり。整ったか。

厩舎コメント

(ここなら)国枝師――前走は内が有利な馬場で外枠の不利があったし、流れも落ち着いて届かなかった。放牧を挟みここを目標に新潟に入厩。１週前の追い切りは落鉄して挫跖のアクシデントがあったが、今週は３頭併せでいい動き。いい頃に比べて物足りなさもあるが、ＧⅢなら好レースに。

ノッキングポイント　北村宏司

調教状態

もともと動くタイプではあるが、先週も今週も持ったまま。馬体も動きも迫力を増した感がある。態勢万全。

厩舎コメント

(週毎上昇)太田助手――いくらかフットワークに硬さが出てきましたが、2000メートルなら問題ないでしょう。暑さに負けず週毎に状態は上がっていますし、精神的に少し大人になってきました。継続騎乗も心強いです。

バラジ　三浦皇成

調教状態

馬なり中心の調整だが、これは坂路が使えない分もあるか。時季的にもこれで良く、動きは滑らか。好気配。

厩舎コメント

(新潟の馬場は合う)鹿戸雄師――前走、２走前の内容は悪くないけど、重賞となると2000メートルくらいがいいのかも。ここを目標に順調で、直前の反応も良かったし、いい稽古ができたと思う。新潟の馬場も合うので、この条件なら楽しみ。

ファユエン　木幡巧也

調教状態

窮屈さがなく、非常に滑らかな脚捌き。ゴール後に気合をつけたように意欲的でもあった。充実期かも。

厩舎コメント

(力つけて)勢司師――ここを目標に在厩で調整してきたが、夏バテもせず順調に稽古を積むことができている。前走は勝ちっぷりが良く、ここにきてワンランク上がってきた印象。新潟の2000メートルは条件的にも良さそうだし、ハンデも53キロ。相手は強くなるが、どこまでやれるか楽しみ。

フラーズダルム　松岡正海

調教状態

軽快なフットワーク。馬体の張りも悪くはない。久々をひと叩きして心肺強化。もう少し走れるはずで。

ブラヴァス　内田博幸

調教状態

ビシッと追われてラスト１ハロンが11秒９。凄い元気があるし、近走のようにもっさり感はなし。立て直し良化。

プラダリア　池添謙一

調教状態

適度にふっくら見せて太め感のない仕上がり。道中は時計以上のスピード感。終いは促されたが、８分以上。

厩舎コメント

(追う毎に良化)池添学師――使って更に良くなりそうな感触ですが、体が戻り切らなかった昨年の秋と比べればいい状態です。スタートが速くないので、３角まで距離があるコース形態はプラス。トモに力がついてくれば、ひと押しが利くようになると思います。

マイネルウィルトス　Ｍ．デムーロ

調教状態

北海道から帰厩当初は太いし、重いなという走り。ひと追い毎にそれも解消しつつあり、気配もアップ。

厩舎コメント

(体絞れて)宮師――１年ぶりだった前走で見せ場十分。やはり力があるね。その後は栗東に戻って、ここを目標に順調。反動はなく、体も絞れているよ。長くいい脚を使える馬。新潟特有の瞬発力勝負になっては分が悪いから、できればペースは流れてほしい。

ユーキャンスマイル　石橋脩

調教状態

乗り込み入念。格下を先行させ、大きく追走の形から併入に持ち込んだ。この馬としてはよく動いた方。

厩舎コメント

(展開向ば)友道師――追い切りの動きはこの馬なり。体つき、毛ヅヤも良く、８歳という感じはしませんね。新潟の2000メートルは合いますし、展開ひとつじゃないでしょうか。

2023年新潟記念予想

逃げ馬不在。一応、バラジが逃げ候補だが、何が逃げても超スローペースは確実。馬群は馬場の中ほどから外へ密集し、最終的には、決め手比べになる公算が大きい。逃げ・先行馬なら上がり600メートル33秒後半、差し・追い込み馬なら33秒前後の脚が勝ち負けのボーダーラインとみた。

管理人の予想印

◎ ファユエン
○ サリエラ
▲ プラダリア
◇ ノッキングポイント
△１ マイネルウィルトス
△２ バラジ
△３ ユーキャンスマイル
△４ イクスプロージョン

◎ファユエン

古２勝クラスを勝てば牝馬同士のＧⅢ・ハンデ戦、古３勝クラスを勝てばＧⅢ・ハンデ戦は通用する。これが持論。サリエラと2.5キロ差あれば逆転も視野に入る。芝2000メートル３勝は左回りで上がりは最速、最速、最速タイ。この舞台、今回の流れはベストに近い。

○サリエラ

先行しても差しに回っても、前記コンセプトの数字はクリアできる。55.5キロのハンデも足枷になるとは思えず、先週の追い切りのアクシデントも、日曜追いと直前で帳尻を合わせた。最有力候補。

▲プラダリア

青葉賞優勝後は未勝利だが、いずれもＧⅠとＧⅡを使っており、ＧⅢ出走はこれが初めて。ＧⅢで57キロはむしろ恵まれたハンデと見ていいだろう。新潟の瞬発力勝負に対応できるかが鍵。

◇ノッキングポイント

サウジアラビアＲＣで、マイル向きの瞬発力はないと判断。ダービー５着は、本質は晩生の晩成タイプの可能性を示唆する。３歳54キロは妥当なハンデ。東京芝1600メートルの２歳新馬戦で上がり33秒２の記録がある。

買い目

単勝/複勝

10

馬連

軸１、10
相手１、３、５、９、10、11、13、14