2023年七夕賞過去データと予想分析

第59回 七夕賞（Ｇ３）

2023年７月９日（日）　福島競馬場　芝2000ｍ

夏の福島競馬における名物重賞・七夕賞。開催を締めくくる一戦だった以前とは違い、2013年からは開催２週目に行われているが、施行時期に変更はなく、その名の通り七夕の前後に行われている。夏競馬のハンデ重賞だけに一流馬の出走こそ少ないものの、2006年に創設されたサマー2000シリーズでは第１戦に指定。2018年のメドウラークなど本競走の優勝馬のうち４頭がシリーズの王座に就いている（２着以下では2020年２着のブラヴァスなど）。夏の中距離王争いでまず先手を取るのはどの馬か、過去の傾向を見てみよう。

七夕賞過去10年間配当金

七夕賞過去10年間結果

七夕賞過去10年間結果前走レース

七夕賞
人気別過去データ

七夕賞
前走レース名別過去データ

七夕賞
前走着順別過去データ

七夕賞
前走コース別過去データ

七夕賞
単勝オッズ別過去データ

七夕賞
騎手別過去データ

七夕賞
枠番別過去データ

七夕賞
前走上り3F別過去データ

七夕賞
前走人気別過去データ

七夕賞
前走クラス別過去データ

七夕賞
前走場所別過去データ

七夕賞
前走距離別過去データ

七夕賞
脚質別過去データ

七夕賞
年齢別過去データ

七夕賞
馬体重過去データ

七夕賞
ハンデ別過去データ

七夕賞
種牡馬別過去データ

近年は以前ほどの波乱はなし

過去10年、１番人気は【2.1.1.6】。一時のまったく勝てない状態こそ脱しているものの、ハンデ戦ということもあり全幅の信頼を寄せられるような成績ではない。勝ち馬は１～３番人気で７頭を数える一方で、２～３着馬はかなり分散している。以前は２桁人気馬の好走も多かったが、ここ３年にかぎれば好走馬９頭はすべて９番人気以内。配当一覧からもわかるように、少し落ち着いてきているのが近年の傾向だ。

４歳馬が好成績

牡・セン馬の年齢別では、４歳馬が【2.1.1.11】で複勝率26.7％。以前は出走数が少なく狙いづらかったが、降級制度廃止の影響もあってか近年は参戦が増えつつある。ただ、人気馬の好走確率は５、６歳に比べ低めだ。５歳馬は【4.3.3.25】連対率20.0％、６歳馬は【3.4.5.37】同14.3％だが、複勝率はあまり差がない。７歳以上は【1.1.1.37】と苦しい。一方、牝馬は全体で【0.1.0.12】。

軽ハンデ馬は苦戦

優勝馬10頭はすべてハンデ54キロ以上で、53キロ以下は計【0.1.4.31】。連対した2021年のロザムールは牝馬53キロで牡馬なら55キロ相当のため、連対候補は基本的に54キロ以上と考えていいだろう。ただ、54キロも複勝率は低め苦戦。55キロまでくるとようやく多数の好走が見られるが勝ち切れない。さらに56キロ台は複勝率10.7％止まり。よって、10年で７勝を挙げる57キロ台を課された実績馬への注目は欠かせない。本年は従来よりハンデが重くなっているため、表よりも１キロ程度重めにシフトして考えるのが良さそうだ。

前走重賞組を中心に

前走クラス別では、オープン特別組【2.3.4.24】とＧ３組【5.4.2.60】が好走馬の中心をになっている。ただ表の右に記したように、オープン特別組は過去４年で好走馬２頭のみとなり、Ｇ３組は５頭が好走。さらに、Ｇ１組の好走馬３頭がすべて近４年から出ており、このところは重賞組が中心の傾向だ。ハンデ戦ながら、前走が条件戦だった馬の連対はない。

穴なら東西とも坂路組

過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、美浦組と栗東組が５勝ずつ。以前は関東馬がやや劣勢だったが、ここ５年は盛り返しをみせている。その美浦で好走の多い南Ｗ組は好走馬がすべて８番人気以内。また、栗東ＣＷ組も連対馬３頭はいずれも８番人気以内だった。対して美浦南坂路組は好走３頭中２頭が９番人気以下、そして栗東坂路組は９頭中５頭が９番人気以下から出ている。穴候補は坂路組を中心に拾っていきたい。

【主な追い切りコース別成績（過去10年）】

追い切りコース 成績 勝率 連対率 複勝率 ９番人気以下
美浦 南Ｗ 4-4-3-41 7.7% 15.4% 21.2% 0-0-0-21
南Ｐ 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0% 0-0-0-2
南坂 0-1-2-10 0.0% 7.7% 23.1% 0-0-2-8
南Ｄ 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-1
栗東 坂路 3-3-3-34 7.0% 14.0% 20.9% 1-1-3-13
ＣＷ 2-1-1-25 6.9% 10.3% 13.8% 0-0-1-12
Ｐ 0-1-1-2 0.0% 25.0% 50.0% 0-0-0-2

2023年七夕賞（Ｇ３）調教状態＆コメント

エヒト　田中勝春

調教状態

やればいくらでも動く方だが、１週前に自己ベストを更新。久々だが元気一杯で脚捌きも力強い。いきなり。

厩舎コメント

(久々を感じるが)高野助手――環境に馴染めず、距離も長かったサウジ戦後は疲れが残りましたが、しっかりと休ませた今はフレッシュですし、先週にやったので今週は強め程度に。見た目に久々を感じますが、460キロ台で出せそうです。58キロですが、昨年が強い勝ち方。いい競馬にはなると思います。

カレンルシェルブル　斎藤新

調教状態

先行遅れ。この馬が動かなかったというより、相手が走り過ぎた印象。皮膚は張りがあって、数字的には十分及第点だし、まだ手応えにも余裕があった。悪くはない。

厩舎コメント

(脚ためて)安田翔師――前走は当日の馬場傾向を踏まえたうえで、意識して出していきましたが、結果、持つところがなかったです。今回はためて自分のレースを。リズム良く運べれば。

ガロアクリーク　永野猛蔵

調教状態

続けて使えるのは何よりで、今回の方がより滑らかな動きになった。馬体も充実。上積みは大きそうだ。

厩舎コメント

(叩き上昇)上原博師――最後息切れはしたが、長欠明けだったことを思えば前走内容は悪くない。足元不安も今はなく、しっかりと稽古を積めており上積み十分。初の福島も問題ないと思うので、変わり身を期待だね。

ククナ　石川裕紀人

調教状態

機敏な脚捌きで、最後まで集中した走り。馬体の張りも目立つほどで、体調はすこぶるいい。

グランオフィシエ　戸崎圭太

調教状態

少しもたつく場面はあったが、最後は脚力が違うような感じで先着。脚捌きは力強く、仕上がりも上々。

サンレイポケット　Ｍ．デムーロ

調教状態

８歳を迎え、さすがに全盛期の動きには到達しないが、坂路では軽快な動き。迫力は今一歩でもまずまず。

シフルマン　大野拓弥

調教状態

以前はすぐ掛かっていたが、今は馬が大人になっている。乗り手とのリズムもぴったり。フォルムもできた。

ショウナンマグマ　木幡巧也

調教状態

動きはパワフルなのだが、今回もテンションを上げ過ぎないよう加減しながら。強調はしづらい。

厩舎コメント

(ヒケ取らず)尾関師――先週の巴賞を除外されましたが、１週延びて状態は上向き。雰囲気も前回より良さそうです。１角の入りまでに折り合いがつけば、2000メートルでも頑張れませんか。

セイウンハーデス　幸英明

調教状態

29日には騎手騎乗とはいえ、65、11秒０の好時計。適度にふっくら見せて、集中して走れた。馬体もいい。

厩舎コメント

(集中してる)橋口慎師――最終追い切りも最後まで集中して走れていました。状態は申し分なし。器用さを生かせる小回りコースは合いそうですし、前走を見ても、馬場は渋っても大丈夫でしょう。何とか重賞のタイトルを。

テーオーソラネル　三浦皇成

調教状態

１週前にＣＷで好時計をマーク。当週は攻め駆け馬との併走でバランスのいい走り。皮膚が薄く、馬体洗練。

厩舎コメント

(楽しみ)須貝尚師――福島への輸送があるから、追い日はこれで十分。具合はいいよ。スタート次第で自在なことが強み。ここまで３連勝。使う毎に力をつけてきた。初めての重賞でもいいレースができればと、楽しみ。

トーラスジェミニ　木幡育也

調教状態

順調に追い切られて、それなりに素軽さもある。ただ、ピリッとしたところはなく、変わり身はひと息か。

バトルボーン　津村明秀

調教状態

未勝利馬を目標にして、道中は折り合いに専念。直線で促すと力強く抜け出してきた。心身とも充実で整った。

厩舎コメント

(舞台は合いそう)林師――直前もいい動きだったし、これで態勢は整いました。スピードの持続力がストロングポイントで、極端に上がりが速い条件と比較すると、ある程度ペースが流れる福島2000メートルは合いそうなイメージがあります。メンバーは一段と強くなるけど、引き続きいい競馬ができれば。

ヒンドゥタイムズ　団野大成

調教状態

３頭併せの外。非常に回転力あるフットワーク。多少硬さがあるのはいつものこと。爪の形からも道悪がいいか。７歳だが、ますます盛んといった感じ。

フェーングロッテン　松若風馬

調教状態

前回ほどの切れ味ではなかったものの、テンポのいい走りで脚捌きも鋭かった。疲れなく高いレベルで安定。

厩舎コメント

(Ｂ効果有)宮本師――前走は交わされながらも盛り返す渋太い内容。ブリンカー効果で、最後まで集中して走れています。馬場は少しぐらい渋っても大丈夫でしょう。主張する馬がいれば控えてもレースできますし、自分のリズムで行ければチャンスが。

ホウオウエミーズ　丸田恭介

調教状態

回転の速いフットワークで、直線で促されると鋭く伸びてきた。派手さはないが、気配はかなりいい。

レッドランメルト　田辺裕信

調教状態

馬なり中心で、少し体は立派な感じだが、直線は豪快なフットワークで駆け抜ける。及第点とは言えるか。

2023年七夕賞予想

波乱の重賞だが、解決の糸口はある。まず、過去10年で１～３人気は８年で連対。上位人気馬が揃って期待を裏切るケースは少なく、上位人気馬のどの馬が信頼できるかの選別が肝要だ。また、１～３人気で57～57.5キロは（７.１.０.４）で、トップハンデを除けば（５.１.０.２）なので信頼度は高い。負担重量のルールが変わったので、今年は58～58.5キロが該当。今年はこのコンセプトでふるいにかけたい。

管理人の予想印

◎ フェーングロッテン
○ セイウンハーデス
▲ ガロアクリーク
◇ エヒト
△１ バトルボーン
△２ テーオーソラネル
△３ カレンルシェルブル
△４ ショウナンマグマ

◎フェーングロッテン

４歳58キロは実績と実力の証。予想のコンセプトからも、信頼できる本命馬のイメージだ。外枠に入ったので、今回は逃げるかどうかは分からないが、自分から動いて行ける位置を確保できる利点がある。

○セイウンハーデス

３×３のインブリードは、強烈な個性か特徴（気性難でも体質の弱さでもいい）があるべきだ、というのが持論。サンデーサイレンス３×３のこの馬は、小回り向きの器用さがあり、そこに個性を追求したい。

▲ガロアクリーク

近年のスプリングＳは形骸化しつつあるので、ＧⅡ優勝歴は自慢できないが、コントレイル、サリオスに続いた皐月賞３着は胸を張れる。実に約32ヵ月の休養を余儀なくされた馬で、まだまだフィジカルは若い。

◇エヒト

コース適性からリピーター的な性格も帯びる重賞なので、昨年の覇者は警戒が必要だ。ただ、昨年は54キロ。今年は58キロ。昨年からの地力強化が要求される。それを満たしているかどうか、だ。

買い目

単勝/複勝

11

馬連

軸11、15
相手１、３、５、８、11、12、14、15