2022年ターコイズステークス過去データと予想分析

第８回 ターコイズＳ（Ｇ３）

2022年12月17日（土）中山競馬場　芝1600ｍ

これまで中山競馬場の芝1600ｍを舞台に、牝馬限定のオープン特別として行われてきたターコイズＳ。15年から重賞に格上げされた。記念すべき第１回は、11番人気のシングウィズジョイが勝利し、２着に16番人気のダンスアミーガ、３着は15番人気のオツウが続き、３連単の配当は295万4680円と大波乱の決着となった。昨年は４番人気のミスニューヨークが勝利した。今年はどうだろうか？　重賞になった７年分のデータに、オープン特別時代のデータもあわせて、レースの傾向を検証する。

ターコイズステークス過去10年間配当金

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ターコイズステークス過去10年間結果

ターコイズＳ過去10年間結果前走レース

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波乱もあるが、本命サイドでも決まる

平均配当は馬連が１万1688円、３連単は45万7378円と荒れている。馬連は万馬券が４回飛び出しているが、2000円以下３回あり、堅く決まこともある。１番人気【3.0.1.6】は複勝率40％と今ひとつ。３番人気【1.5.1.3】が複勝率70％と好調。二桁人気も７頭が馬券に絡んでおり、警戒が必要。本命サイドか波乱か、どちらになりそうかの判断が重要だ。

３、４歳馬の争い

年齢別の成績は４歳【4.4.4.32】が複勝率27.3％、３歳【5.5.2.33】が複勝率26.7％と互角。この２世代が中心。５歳【1.1.3.454】は複勝率が10％とイマイチで、６歳【0.0.1.14】はほとんど馬券に絡んでいない。３、４歳が中心で、年齢が上がると苦戦している。

前走二桁着順の馬が波乱を演出！

前走のレース別成績では３勝クラス組【3.2.0.33】が中心だが、複勝率は13.2％と今ひとつ。Ｇ１の秋華賞組【2.3.1.12】は複勝率33.3％、エリザベス女王杯組【1.0.2.4】は複勝率42.9％と好走確率が高い。

前走の着順別の成績では、凡走馬の巻き返しが目立っている。馬券に絡んだ数は前走１～５着が11頭、前走６～９着が４頭、前走10着以下が15頭で、むしろ大敗している馬のほうが狙い目だ。ちなみに前走10着以下で馬券に絡んだ14頭の内訳は、Ｇ１が８頭、Ｇ２が２頭、Ｇ３が１頭、オープン特別が３頭、３勝クラスが１頭。オープン特別や３勝クラスで大敗した馬でも狙える。

ハンデ53キロが好調だが、それ以下は苦戦

トップハンデ【1.2.2.12】は複勝率29.4％と高いが、１勝と勝ち切れない。53キロ【4.5.1.32】が複勝率23.8％と好調で、55キロ以上【3.2.5.31】は複勝率24.4％とまずまず。52キロ以下【1.0.2.30】複勝率9.1％で、軽ハンデ馬が苦戦傾向。

栗東坂路で２ハロンの速い馬

過去10回のデータからターコイズＳの調教パターンの傾向を探った。好走馬の数では栗東坂路組【4.5.5.37】が14頭と最多で、複勝率27.5％と好走確率も高かった。

今年も中心になりそうな栗東坂路組の傾向を探ると、ラスト２ハロンのタイムが25秒４以下【4.5.4.24】が複勝率35.1％と好成績を残しており、25秒５以上かかると【0.0.1.13】とほぼ全滅だった。栗東坂路で２ハロン25秒４以下の馬を狙おう。

【追い切りコース別の成績（過去10年）】

場所 コース 成績 勝率 連対率 複勝率
栗東 坂路 4-5-5-37 7.8% 17.6% 27.5%
ＣＷ 0-2-1-9 0.0% 16.7% 25.0%
美浦 南坂路 1-0-2-16 5.3% 5.3% 15.8%
南Ｗ 4-3-1-49 7.0% 12.3% 14.0%
その他 1-0-1-12 7.1% 7.1% 14.3%

【栗東坂路組のラスト2Ｆのタイム別成績（過去10年）】

タイム 成績 勝率 連対率 複勝率
～25秒4 4-5-4-24 10.8% 24.3% 35.1%
25秒5～ 0-0-1-13 0.0% 0.0% 7.1%

2022年ターコイズＳ（Ｇ３）調教状態＆コメント

アナザーリリック　Ｔ．マーカンド

調教状態

１週前より反応はグンと良化。力強いフットワークで迫力も感じさせた。馬体は締まり、ほぼ万全の態勢。

厩舎コメント

(実績ある)林師――ノーザンＦ天栄からいい状態で帰厩して、順調にきました。中山1600ｍは実績のある舞台。差しの利く馬場や展開が理想ですが、力のあるところをお見せできれば。

アブレイズ　Ｈ．ドイル

調教状態

前２週に速い時計をマークして、輸送のある今週はセーブ。絶好時の迫力は感じないが、仕上がりはいい。

厩舎コメント

(流れひとつ)兼武助手――前走後はここを目標に調整。変わりなく動きがいいですし、中山にも良績がありますからね。斤量は背負いますが、牝馬同士なら、流れひとつだと思います。

ウインシャーロット　石川裕紀人

調教状態

１週前に速い時計を出して、直前軽めは最近の調教パターン。太く見せるのは体形で心配はいらない。前走時より脚捌きはシャープ。ひと叩きの上積みは大きそう。

厩舎コメント

(通用可能)和田郎師――前走はテンションや馬体を考慮してびっしりと仕上げたわけではないなかで勝ち切れました。それだけに今回の方が上積みがあり、状態も上がっています。重賞でも通用する能力のある馬ですよ。

エリカヴィータ　福永祐一

調教状態

手応えでは見劣ったが、直前にこれだけ速い時計を出せたのは初。馬体は大きく見せる。これで変わりそう。

厩舎コメント

(前走案外も)国枝師――前走は休み明けで馬体が増えていい仕上がりだと思ったら案外な結果に。今回も放牧明けだが、馬体が減らず状態はいい。フェアリーＳは不利を受けて走れなかったが、この条件も悪くないのでスムーズな競馬ができれば。

サブライムアンセム　岩田望来

調教状態

馬なりでラスト11秒１を連発してかなりの切れ味だが、テンションが高い。長距離輸送が心配になるが……。

シャーレイポピー　横山武史

調教状態

小柄な馬だが、１週前にはＣＷで目一杯に追われて調整は意欲的。仕上がり良く、フットワークに切れがある。

シャドウディーヴァ　Ｄ．イーガン

調教状態

反応良く、サッと併走馬に追いついてきた。まだ迫力に関してはもうひとつだが、気配そのものは悪くない。

スカイグルーヴ　Ｃ．ルメール

調教状態

１週前に好時計＆好調教。直前は折り合い重視でリズム良く走れていた。バネの利いたフットワークは好調時と変わりない。大敗直後になるが、これなら要注意。

厩舎コメント

(状態上向き)太田助手――前走は輸送や展開など、複合的なものによる敗戦。放牧を挟みましたが、トモの肉づきはいつもよりいいですし、あとは久々の中山にうまく対応できれば。

フィアスプライド　大野拓弥

調教状態

いつもよりズブかったが、最近は攻め駆けしない。動きは力強く、太め感も見られない。態勢は整っている。

フェルミスフィア　杉原誠人

調教状態

１週前に長目から時計になっており、今回は方が中間の攻めを強化。直前はいつも通りシャープな脚捌きで動きは文句なし。馬体もふっくらと見せる。万全の態勢。

フラーズダルム　戸崎圭太

調教状態

少し間隔が開いて、いつものように硬めの歩様だし、調教量も少なめだが、馬体はキチッと仕上がっている。活気もあって、特に割り引く必要はない。

ママコチャ　松山弘平

調教状態

最終追い切りは坂路でサラッとするのがこの馬のパターン。ハミを噛みそうになるのをなだめて、終いはしっかり伸びた。馬体に太め感なく、久々も好気配。

厩舎コメント

(重賞でも)兼武助手――前走後はここを目標に放牧を挟みましたが、３連勝の内容がいいですし、帰厩後は体つきにも迫力が出てきました。引き続き動きもいいので、重賞でも楽しみです。

ミスニューヨーク　Ｍ．デムーロ

調教状態

行きっぷりが良く、最後までスピード感を保ったままゴール。攻め駆けする馬らしく、ハツラツとしている

厩舎コメント

(条件合う)杉山晴師――１週前にしっかりやって、今週は終いだけサッと。どんな展開でも差のない競馬ができています。昨年勝ったように条件は合っていますし、あとは展開ひとつ。ゲート五分でうまく立ち回ってくれれば。馬場は渋ってほしいですね。

ライティア　三浦皇成

調教状態

ゆったりしたペースに見えて、水準の時計が出ている。動きも素軽い。馬体細化も見られず、デキは安定。

レイハリア　松岡正海

調教状態

持ったままスイスイと登坂。攻め駆けするタイプではあるが、スムーズな動きは目立っていた。好仕上がり。

ローザノワール　田中勝春

調教状態

適度な行きっぷりで、動きも弾んでいる。二桁着順が続いているが、デキ落ちの雰囲気は見られない。

2022年ターコイズＳ予想

過去７年で学んだことは、５歳馬は信頼できない、56キロは一考を要す、３歳55キロは過信禁物、６歳は苦戦、57キロも苦戦、４歳54キロの人気馬は過信禁物。大方この６点で好走馬、人気を裏切った馬を分類できるが、今年はやや様相が違う。出走馬は俯瞰した第一印象は、４歳より５歳世代の方が層が厚いということで、３歳ＶＳ５歳の対決図式を描いた。

管理人の予想印

◎ ママコチャ
○ ミスニューヨーク
▲ アブレイズ
◇ ウインシャーロット
△１ アナザーリリック
△２ スカイグルーヴ
△３ エリカヴィータ

◎ママコチャ

ソダシの半妹で、２歳時から才媛ぶりを垣間見せてきたが、クラシックには乗れず、地道に条件戦から叩き上げてきた。例年の秋華賞帰りの３歳馬に匹敵する戦績で、53キロなら４連勝も可能だ。

○ミスニューヨーク

昨年の覇者。昨年は53キロで、今年は55キロになるが、ハンデ増に見合う戦績は残してきた。本質はマイラーではないが、中山巧者のハンディキャップホースのイメージ。

▲アブレイズ

中山ではフラワーＣを勝ち、中山牝馬Ｓ２着。内回りと外回りは区分けする必要はあるものの、遠征競馬に強い中山巧者であることに変わりはない。ペース次第だが、1600メートル対応は可能と見る。

◇ウインシャーロット

芝1200メートルの新馬４着以外、すべて３着以内の優等生で、相手なりに先行して走れるところが強い体力とポテンシャルの高さの証左になる。牝馬同士なら55キロのハンデは妥当。外枠なので、２角までの好位取りは必須条件か。

買い目

単勝/複勝

２

馬連

軸２、13　相手２、３、５、６、13、14、15